東京オリンピック開催決定の知らせをニュースで聞いたのは丁度私が東日本大震災の後に福島の海岸線を撮影させてもらって三度目の福島の地で撮影中に車の中で聞きました。
おまけにこの時は原発まで1.2Km地点で3年経ってもあの日のあのままの状態で手付かずの街の中で撮影をしていました。
人の気配を全く感じない街、空っぽの牛舎、乾いた空気、人も車も通らない交差点の点滅信号・・・ただただ涙が溢れるのを堪えながら撮影していた事を思い出します。
そんな撮影最中にオリンピックの開催地が東京に決定しました。
ト ウ キ ョ ウ! とアナウンスされた声が今でもハッキリと記憶に残っています。
何が安心、安全だ?放射能は問題ない?完全にブロックされている??
だったら今俺の目の前にある津波に流されたままの家や遥か彼方まで並べて放置されている放射能を被った山積みの瓦礫は何なんだ?
お前達議員ども全員でこの海で海水浴でもしてみろよ!!
オリンピックやる銭があるなら東北をきちんと復興させてからにしろ!!いやせめてオリンピックは福島でやれ!!そうすりゃ終わった後に色んな使い道も出てくるだろう。その前に日本に来ない国の選手も沢山出てくるだろう・・・
とまあ怒りを露わにしながら撮影をしていたのを昨日の事の様に思い出します。
そんな僕はJOC日本オリンピック委員会関係の組織からオリンピックデーランの北海道地区のオフィシャルカメラマンとして毎年撮影をさせて頂いています。
オリンピックデーランは北海道で開催されるのは士別市だけ。
士別は合宿の里にもなっていて毎年多くの実業団や大学の陸上部の選手団が来士されています。 元マラソンランナーの高橋のQちゃんなんかも来ていました。
オリンピックデーランには毎年荻原選手を中心に過去にオリンピックで活躍された選手が士別に集結し、学校ではスポーツ教室が行われたり、日曜日には多くの一般ランナーや愛好家の皆さんとジョギングを楽しんだりしています。
この仕事は自分の個人的な気持ちとはかなり矛盾しています。
しかしプロとして個人の感情を表に出す事は自分がまだまだ甘い証拠。
いやまだまだ青いなあと思ったりもします。
プロである以上どんな状況でもベストを尽くす事が最低限の筋道です。
東京の委員会を通して僕を紹介してくれた方もいらっしゃいます。
そういう人達を裏切って義を欠く事は生き様としても僕の中では許されるものではありません。
色々と考えさせられますが、昨日8月31日から9月3日まで士別市で開催していますが、今日までは士別の店長が対応していますが明日は会場が二会場なのと、明後日はメインなので僕の出番です。
笑顔で精一杯良い写真を残す事だけを考えて撮影してきたいと思います。
画像は昨年のデーランの様子です。